
外壁リフォームは、家の寿命を左右する重要な工事です。
様々な方法がありますが、近年注目されているのが外壁カバー工法です。
既存の外壁を撤去せずに、上から新しい外壁材を重ね張りするため、費用を抑えつつ、家の外観を美しく変えることができます。
しかし、メリットだけでなくデメリットも存在します。
今回は、外壁カバー工法について、費用やメリット・デメリット、施工手順、注意点などを分かりやすく解説し、リフォームを検討されている皆様の判断材料となるようご紹介します。
外壁カバー工法とは何か?徹底解説
外壁カバー工法の定義と概要
外壁カバー工法とは、既存の外壁の上に新しい外壁材を重ね張りする工法です。
主に軽量な金属サイディングが使用され、既存の外壁を撤去する必要がないため、工期と費用を削減できます。
しかし、下地の状態によっては施工できない場合もあります。
外壁カバー工法のメリット
1:費用が比較的安い
既存の外壁を撤去する必要がないため、解体費用や廃棄費用が削減できます。
2:工期が短い
解体作業がないため、工期を短縮できます。
3:断熱性・防音性の向上
外壁材を重ねることで空気層ができ、断熱性や防音性が向上する可能性があります。
4:アスベスト対応
アスベスト含有外壁の場合、撤去費用が不要なため、費用を抑えられます。
外壁カバー工法のデメリット
1:下地の劣化が隠れる
既存の外壁の劣化を隠してしまうため、内部の腐食や雨漏りを発見できない可能性があります。
2:耐震性がわずかに低下
外壁材の重量増加により、耐震性がわずかに低下する可能性があります。
3:デザインの制限
軽量な金属サイディングが主流となるため、デザインの選択肢が限られる可能性があります。
4:将来的な修繕費用
一部の種類のサイディングでは、将来的な部分修繕に高額な費用がかかる可能性があります。
5:火災保険適用
元の状態に戻す工事ではないため、火災保険が適用されない場合があります。
外壁カバー工法の種類と特徴
主な外壁材は金属サイディング(ガルバリウム鋼板、アルミなど)です。
軽量で耐久性が高く、重ね張り工法に適しています。
窯業系サイディングを使用することも可能ですが、重量があるため耐震性の低下リスクを考慮する必要があります。
また、横張りや縦張りの施工方法があります。
外壁カバー工法の費用相場
30坪程度の住宅の場合、費用相場は130~300万円程度とされています。
これは、使用する外壁材の種類、施工面積、下地処理の必要性などによって変動します。
具体的な内訳は、サイディング材、防水シート、胴縁、足場、工事費、諸経費などです。
外壁面積が大きくなると費用も増加します。
外壁カバー工法と他のリフォーム方法の比較:塗装と張り替えとの違い
1:塗装
最も費用が安く、短期間で済みますが、耐久性が低く、定期的な塗り替えが必要です。
既存外壁の劣化状態によっては適さない場合があります。
2:張り替え
費用は高額ですが、外壁を完全に新しくできるため、耐久性が高く、下地の補修も可能です。
3:カバー工法
塗装と張り替えの中間の費用と工期で、外観を刷新できます。
ただし、下地の劣化は解消されません。
外壁カバー工法の施工手順と注意点
施工前の準備と確認事項
1:既存外壁の調査
既存外壁の劣化状況、雨漏りの有無などを確認します。
2:下地処理
既存外壁の汚れや剥がれなどを除去し、補修が必要な箇所を補修します。
3:設計図の作成
施工内容、使用する外壁材、施工手順などを明確にした設計図を作成します。
4:近隣への配慮
工事による騒音や振動、ゴミなどについて、近隣住民への配慮が必要です。
施工手順の詳細な説明:下地処理、防水シート、サイディングの取り付けなど
1:下地処理
既存外壁の清掃、補修を行います。
必要に応じて、下地材の補強も行います。
2:防水シートの施工
透湿防水シートを施工し、雨水の浸入を防ぎます。
3:胴縁の取り付け
金属サイディングを固定するための下地となる胴縁を取り付けます。
4:サイディングの取り付け
設計図に基づき、金属サイディングを正確に取り付けます。
5:コーキング処理
サイディングの継ぎ目などをコーキング処理し、防水性を高めます。
6:仕上げ
必要に応じて、塗装などの仕上げを行います。
トラブルシューティングと対処法
1:雨漏り
防水シートやサイディングの施工不良が原因の可能性があります。
2:サイディングの剥がれ
固定不良が原因の可能性があります。
3:内部結露
通気層の確保不足が原因の可能性があります。
保証とメンテナンス
1:保証期間
業者によって保証期間は異なりますが、通常は数年間です。
2:定期点検
定期的な点検を行い、早期に不具合を発見し、適切に対処します。
まとめ
外壁カバー工法は、費用を抑えつつ家の外観を美しく変えることができるリフォーム方法です。
しかし、下地の劣化状態によっては施工できない場合や、デメリットも存在します。
費用や工期、デザイン、メンテナンス性などを考慮し、みなさんの住宅状況に合った選択をしてください。
また、施工後の保証内容についても確認しておきましょう。