これは建物の外壁で起こる現象なのですが、放置しておくと重大な問題につながる可能性があります。
今回は、チョーキング現象についてご紹介します。
□外壁のチョーキング現象とは?
チョーキング現象とは、外壁の塗料に含まれる顔料が、表面にチョークの粉のようになって出てきてしまうことを指します。
外壁を手で触ると白い粉が付着するため、確認は簡単です。
付着するのは白い粉が多いですが、外壁の色と似た色の粉が付着することもあります。
こうしたチョーキング現象は、日射による熱や紫外線、風雨に晒されることによる劣化が原因で起こります。
塗料に含まれる顔料は、もともとは粉末状です。
粉末状の顔料をシリコンやウレタンなどの合成樹脂や添加剤と混ぜ、それを水あるいはシンナーで薄めることによって外壁に使用する塗料が作られます。
日差しや風雨を毎日受けることによって、塗料の中の成分は少しずつ分解・劣化していきます。
この中で、「白色顔料(酸化チタン)」が粉末状に戻り、それが表面に出てしまうことでチョーキングが発生します。
白っぽい色の外壁では特にチョーキングが起こりやすいですが、濃い色の場合でも白色顔料が含まれていれば起こります。
顔料が使用されていない塗料の場合は、チョーキングは発生しません。
□外壁のチョーキングを放置するとどうなる?
外壁のチョーキングは、劣化のサインでもあります。
そのため、長く放置していると、重大な問題が発生する可能性があります。
チョーキングが起こっている外壁では、経年劣化が進行しているか、外壁塗装の不具合が生じているかのどちらかが考えられます。
いずれにしても、そのまま放置しておくと劣化がさらに進行したり、不具合がさらに大きくなったりしてしまいます。
そうなると、雨水の浸入を引き起こしてしまいます。
雨水が外壁に浸入し続けた場合、水が染み込んで外壁材が傷んでしまいます。
さらには、建物の躯体部分にまでダメージが及んでしまうかもしれません。
建物全体の耐久性に深刻な悪影響を及ぼしかねないため、チョーキングが見られる場合は早めの塗り替えが必要です。
□まとめ
今回は、建物の外壁で起こるチョーキング現象について解説しました。
チョーキングは、すぐに外壁にダメージを与えるような緊急性の高い症状ではありません。
ただし、徐々に外壁の劣化を進めていってしまうため、放置は厳禁です。
早めの対処を心がけましょう。