瓦屋根の美しさの象徴ともいえる漆喰は、瓦屋根を雨風から守り、その寿命を左右する重要な役割を担っています。
しかし、漆喰は年月とともに劣化し、ひび割れや剥がれが生じてしまうことも。
そのまま放置すると、雨水が内部に浸入し、瓦屋根の腐食や瓦の落下につながる恐れがあります。
この記事では、瓦屋根の漆喰の役割や劣化サイン、適切なメンテナンス方法について解説します。
瓦屋根の漆喰とは?
瓦屋根の漆喰は、棟瓦と平部の瓦の隙間を埋める半月型の白い部分のことです。
1:雨水から葺き土を守る
瓦屋根は、瓦と瓦の間に葺き土と呼ばれる土が敷き詰められており、その上に瓦が重ねられています。
葺き土は瓦を固定する役割を担っていますが、雨水に濡れると腐り、瓦がズレたり、落下したりする原因となります。
漆喰は、棟瓦と平部の瓦の隙間を埋めることで、雨水が葺き土に直接当たるのを防ぎます。
これにより、葺き土の腐食を防ぎ、瓦の固定力を維持することができます。
2:瓦の固定力を高める
漆喰は、瓦と瓦を接着する役割も担っています。
棟瓦は、強風や地震などの影響でズレたり、落下したりする可能性があります。
漆喰でしっかりと固定することで、瓦がズレにくくなり、落下リスクを低減することができます。
3:美観を保つ
漆喰は、瓦屋根の見た目を美しく保つ効果もあります。
白い漆喰は、瓦屋根にアクセントを与え、上品な印象を与えてくれます。
また、漆喰は経年変化によって風合いが増し、古民家のような味わい深い雰囲気を醸し出します。
瓦屋根の漆喰が劣化するとどうなる?
1:ひび割れや剥がれ
漆喰は、水分や温度変化によって、ひび割れや剥がれが生じることがあります。
特に、雨風の影響を受けやすい棟瓦の漆喰は、劣化しやすいと言われています。
2:雨水の浸入
漆喰がひび割れや剥がれを起こすと、雨水が内部に浸入しやすくなります。
雨水が葺き土に浸入すると、葺き土が腐り、瓦の固定力が弱まってしまいます。
3:瓦のズレや落下
葺き土が腐ると、瓦がズレたり、落下したりする可能性があります。
瓦が落下すると、人身事故や物的損害が発生する恐れがあります。
4:美観の損傷
漆喰が劣化すると、瓦屋根の見た目が悪くなります。
ひび割れや剥がれが目立つようになり、家の価値が下がる可能性もあります。
まとめ
瓦屋根の漆喰は、雨水から葺き土を守り、瓦の固定力を高める重要な役割を担っています。
また、見た目を美しく保つ効果もあります。
漆喰は、年月とともに劣化し、ひび割れや剥がれが生じることがあります。
そのまま放置すると、雨水が内部に浸入し、瓦屋根の腐食や瓦の落下につながる恐れがあります。
瓦屋根の漆喰が劣化している場合は、早急に修理を行うようにしましょう。
定期的に点検を行い、劣化が発見された場合は、専門業者に相談することをおすすめします。